ロッブリー

โกโกโกโก…

ロッブリー——『猿神』が統べる古都

ลพบุรีlóp-bù-rii

ロッブリー——『猿神』が統べる古都

ลพบุรี(lóp-bù-rii)。ドヴァーラヴァティー、クメール、アユタヤ——幾つもの王朝が支配したタイ屈指の古都。だが今、この街の真の『支配者』は、人間ではない。ゴゴゴゴ……その正体は——猿だッ!

数百匹ものカニクイザルが、駅前も、遺跡も、電線の上も、我が物顔で占拠している。彼らは観光客のカバンをひったくり、飲み物を奪い、屋根から屋根へと飛び回る。母猿は仔を抱え、若い雄は縄張りを争って街路を疾走する。ここは人間と猿が奇妙な均衡で共存する、世界でも類を見ない『混沌の古都』なのだ。

この地に君臨する『魅力』

街の中心に立つクメール様式の遺跡プラ・プラーン・サーム・ヨート。三基の尖塔を持つこの13世紀の寺院こそ、猿たちの『玉座』だ。黒ずんだラテライトの塔をよじ登り、暗い廊下に群れ、仏の頭に腰かける猿たち——その姿は神話の一場面のようで、畏怖すら覚える。ลิง(ling/猿)はこの地の守り神として、住民に大切にされている。

そしてもう一つの顔が「太陽王の宮殿」プラ・ナーラーイ・ラーチャニウェート。17世紀、アユタヤ王ナーラーイがフランス、ペルシャの使節を迎えた第二の王都だ。厚い城壁に囲まれた宮殿跡には、当時の水利技術を伝える貯水池や、謁見の間の礎石が残る。ギリシャ人宰相ファウルコンの屋敷跡も近くにあり、東西文明が交錯した時代の残響が、煉瓦の壁に刻まれている。

さらに冬(11〜1月)には郊外の丘陵一帯が『ひまわり畑』の黄金色に染まる。石灰岩の山を背に、地平まで続く黄金の絨毯——猿、遺跡、ひまわり。この県の懐の深さは計り知れない。

食——胃袋の戦い

ロッブリーはひまわりの一大産地。そこで生まれた名物が『ひまわりの種のスナック』と『ひまわり蜂蜜』だ。ひまわり畑で採れた蜂蜜は、花の香りが芳しく、土産に人気。香ばしく炒った種は、噛むほどに素朴な甘みが滲む。

食堂では、この地の米で炊いた飯に川魚や豚肉の炒め物を合わせる素朴な定食が主流。だが油断は禁物——屋外で食べていると、猿が皿ごと奪いにくる。まさに『胃袋の戦い』は猿との攻防戦なのだッ!น้ำผึ้ง(nám-phûng/蜂蜜)のボトルすら、猿の狙う標的になる。屋根のある店内でこそ、旅人はようやく安心して匙を進められる。

文化——受け継がれし魂

ロッブリー最大の奇祭が、毎年11月末の『猿のビュッフェ祭り』。プラ・プラーン・サーム・ヨートの前に、フルーツや野菜、菓子を色鮮やかに積み上げた巨大な「猿のための宴」が用意される。猿たちは我先にと群がり、スイカに顔を突っ込み、菓子を頬袋に詰め込む。その様子を撮ろうと、世界中から報道陣と旅人が押し寄せる。

なぜこんな祭りを催すのか。住民は信じているのだ——猿は繁栄をもたらす神聖な存在だと。かつてこの地を救ったとされる猿の軍勢の伝説に由来し、猿を敬い、もてなすことがこの街の『継承された魂』となっている。ประเพณี(prà-phee-nii/伝統)が、これほど風変わりに息づく街も珍しい。

生活——この地で暮らすということ

ロッブリーで暮らすとは、猿と隣り合わせで生きるということだ。店は商品を金網で守り、住民は帽子や眼鏡を奪われぬよう用心し、車のワイパーやミラーまで守りを固める。それでも人々は猿を憎まない。共存の知恵と忍耐——それがこの街の住民の『覚悟』なのだ。

一方でロッブリーは軍の駐屯地としても知られ、規律ある軍人の街という一面もある。混沌と秩序、古代と現代、人間と猿——相反するものが同じ通りに同居する、不思議な魅力の街だ。

旅の心得

猿は可愛いが野生動物だ。食べ物や光る物、袋を手に持って歩くのは絶対に避けよ。目を見つめるのも挑発と取られる。噛まれたら狂犬病の危険もあるため、むやみに触れないこと。遺跡エリアでは棒を持った係員が猿を追い払ってくれる。バンコクから列車で約2〜3時間、駅前がもう猿の世界だ。この混沌を笑って楽しめる者にこそ、ロッブリーは最高の冒険を約束する。