上級 / 実践タイ語

ビジネスのタイ語

職場でタイ語を使うには、日常会話とは別の「丁寧で改まった」表現が必要です。この課では、電話・メール・会議でよく使う定型表現、役職や相手の呼び方、そして相手や場面に応じた丁寧レベルの調整を学びます。前の課で学んだ書き言葉・フォーマル語彙が、そのままビジネスの土台になります。

タイのビジネス文化では、上下関係と礼儀(มารยาท maa-rá-yâat)が重んじられます。言葉づかいひとつで信頼が変わるため、丁寧さの「型」を身につけることが大切です。

電話の定型表現

電話(โทรศัพท์ thoo-rá-sàp)では、顔が見えないぶん、はっきりした丁寧表現が求められます。

  • สวัสดีค่ะ บริษัท... — sà-wàt-dii khâ, bɔɔ-rí-sàt... — もしもし、〇〇社でございます。
  • ไม่ทราบว่ากำลังเรียนสายกับใครคะ — mâi sâap wâa kam-lang rian sǎai kàp khrai khá — 恐れ入りますが、どちら様でしょうか。
  • กรุณารอสักครู่นะคะ — karú-naa rɔɔ sàk-khrûu ná khá — 少々お待ちくださいませ。
  • ขอฝากข้อความได้ไหมคะ — khɔ̌ɔ fàak khɔ̂ɔ-khwaam dâi mǎi khá — 伝言をお願いできますか。

เรียนสาย(電話でお話しする)や ฝากข้อความ(伝言を残す)は電話特有の語です。丁寧の終助詞 ค่ะ/ครับ を欠かさないのが基本です。

メールの定型表現

ビジネスメール(อีเมล ii-meew)は、前課の書き言葉がそのまま生きます。

場面タイ語読み意味
宛名เรียน คุณ...rian khun...〇〇様
書き出しด้วยความเคารพdûay khwaam-khaoróp謹んで
用件ขอเรียนแจ้งว่า...khɔ̌ɔ rian cɛ̂ɛng wâa〜をお知らせいたします
依頼รบกวน...róp-kuanお手数ですが〜
結びขอแสดงความนับถือkhɔ̌ɔ sà-dɛɛng khwaam-náp-thʉ̌ʉ敬具

รบกวน(お手数をおかけしますが)は依頼をやわらげる万能語で、口頭でもメールでも使えます。

会議・打ち合わせ

会議(ประชุม prà-chum)でよく使う表現です。

  • ขออนุญาตเริ่มการประชุมนะครับ — khɔ̌ɔ-anú-yâat rə̂əm kaan-prà-chum ná khráp — 会議を始めさせていただきます。
  • ผมขอเสนอความคิดเห็น — phǒm khɔ̌ɔ sà-nə̌ə khwaam-khít-hěn — 意見を述べさせていただきます。
  • ขอโทษที่ขัดจังหวะ — khɔ̌ɔ-thôot thîi khàt cang-wà — お話の途中失礼します。
  • ช่วยอธิบายเพิ่มเติมได้ไหมครับ — chûay à-thí-baay phə̂əm-təəm dâi mǎi khráp — もう少しご説明いただけますか。

依頼や発言の前に ขอ(〜させてください)や ขออนุญาต(お許しを得て〜します)を置くと、ぐっと丁寧になります。

役職と呼び方

相手の呼び方は、タイのビジネスで特に重要です。

タイ語読み意味
คุณ+名前khun〜さん(最も一般的、目上にも)
ผู้จัดการphûu-càt-kaanマネージャー・課長
หัวหน้าhǔa-nâa上司・長
ท่านthân〜様(役職者・目上への高い敬称)
พี่phîi兄・姉(年上の同僚を親しみつつ敬って)

タイでは名字ではなく名前(ファーストネーム)に คุณ を付けて呼ぶのが普通です。年上の同僚には พี่(ピー)を付けて親しみと敬意を同時に示します。役職の高い相手には ท่าน を使います。

丁寧レベルの使い分け

同じ「お待ちください」でも、相手で言い方を調整します。

相手表現ニュアンス
同僚・親しいรอแป๊บนะちょっと待ってね(くだけた)
一般の顧客รอสักครู่นะคะ少々お待ちください
重要な取引先กรุณารอสักครู่นะคะ恐れ入りますがお待ちくださいませ

กรุณา(どうか〜してください)を付けると最も丁寧になります。相手と場面を読んで、くだけすぎず堅すぎない距離感を選ぶのがビジネスタイ語のコツです。

お詫びと感謝の型

ビジネスでは、謝罪と感謝を的確に伝えられることが信頼につながります。

場面タイ語読み意味
軽い謝罪ขอโทษครับ/ค่ะkhɔ̌ɔ-thôotすみません
改まった謝罪ขออภัยในความผิดพลาดkhɔ̌ɔ-aphai nai khwaam-phìt-phlâat手違いをお詫びします
感謝ขอบคุณมากครับ/ค่ะkhɔ̀ɔp-khun mâakありがとうございます
深い感謝ขอขอบพระคุณkhɔ̌ɔ khɔ̀ɔp-phrá-khun厚く御礼申し上げます

ขออภัย(お詫びする)は ขอโทษ よりフォーマルで、書面や公式の場に向きます。感謝も、深い敬意を示すときは ขอบพระคุณ と格を上げます。

アポイントと日程調整

  • สะดวกวันไหนครับ — sà-dùak wan nǎi khráp — ご都合のよい日はいつでしょうか。
  • ขอเลื่อนนัดได้ไหมคะ — khɔ̌ɔ lʉ̂an nát dâi mǎi khá — お約束を延期できますでしょうか。
  • ยืนยันการประชุมวันพรุ่งนี้ — yʉʉn-yan kaan-prà-chum wan phrûng-níi — 明日の会議を確認いたします。

นัด(約束・アポ)、เลื่อน(延期する)、ยืนยัน(確認・確定する)は日程調整の必須語です。

タイの職場文化と言葉

タイの職場では、上司や年長者への เกรงใจ(気遣い・遠慮)が言葉に表れます。反対意見をそのままぶつけず、ผมเห็นด้วย แต่...(賛成ですが…)と一度受けてから述べる、依頼には ขอ・รบกวน を添える、といった「柔らかさ」が好まれます。直接的すぎる物言いは、内容が正しくても人間関係を損ねかねません。丁寧語の型に、この文化的な配慮を重ねることが、タイでのビジネスコミュニケーションの完成形です。

まとめ

  • 電話は เรียนสาย・ฝากข้อความ など専用表現+終助詞 ค่ะ/ครับ が基本。
  • メールは前課の書き言葉(เรียน…/ขอแสดงความนับถือ)と รบกวน で丁寧に。
  • 呼び方は「คุณ+名前」が基本。年上は พี่、役職者は ท่าน。
  • ขอ/ขออนุญาต/กรุณา を添えて、相手と場面に応じ丁寧レベルを調整する。

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