上級 / 読解

物語とエッセイを読む

ニュースが事実を簡潔に伝える文体なら、物語やエッセイは情景と心情を描く文体です。上級では、擬音語・擬態語、比喩、心の動きを表す語を読み取り、行間のニュアンスまで味わえるようになることを目指します。ニュースの課で学んだ接続語の知識に、今度は「感じさせる」語彙を重ねていきます。

物語の文体の特徴

物語文には、会話文(บทสนทนา bòt-son-thá-naa)と地の文(บรรยาย ban-yaay 描写)が交互に現れます。地の文では過去の描写に ได้(〜した)や、様子を添える อย่าง(〜のように)が多く使われ、会話文では話し言葉・終助詞(นะ・สิ・เลย)が生きた口調を作ります。

  • ท้องฟ้ามืดลงอย่างช้าๆ — thɔ́ɔng-fáa mʉ̂ʉt long yàang cháa-cháa — 空はゆっくりと暗くなっていった。(อย่าง+ช้าๆ で「ゆっくりと」)

擬音語・擬態語

タイ語は擬音語・擬態語(คำเลียนเสียง kham-lian-sǐang)が非常に豊かです。物語に生き生きとしたリズムを与えます。

タイ語読み表す音・様子
ดังโครมdang khroomガシャン(大きな衝突音)
เปาะแปะpɔ̀-pɛ́パラパラ(雨や小さな音)
กรอบkrɔ̀ɔpカリッ・サクッ(食感)
เงียบกริบngîap krípしんと静まりかえって
ยิ้มแฉ่งyím chɛ̀ngにっこり(明るい笑み)

畳語(同じ語を重ねる)もよく使われ、ช้าๆ(cháa-cháa ゆっくり)、เบาๆ(bao-bao そっと)のように様子を和らげたり強めたりします。

心情表現

登場人物の気持ちを表す語彙は、エッセイ・物語の核です。

タイ語読み意味
ดีใจdii-caiうれしい
เสียใจsǐa-cai悲しい・残念
ตกใจtòk-cai驚く
กังวลkang-won心配する
ประทับใจprà-tháp-cai感動する・印象に残る
เหงาngǎo寂しい

タイ語は「ใจ(cai 心)」を含む複合語で感情を表すのが特徴です。ใจ を含む語を集めると、心情語彙が一気に広がります。

短い物語を段階読解

次の物語を一文ずつ読んでみましょう。

  1. เย็นวันนั้น ฝนตกเปาะแปะบนหลังคา — yen wan nán, fǒn tòk pɔ̀-pɛ́ bon lǎng-khaa — その日の夕方、雨が屋根にパラパラと降っていた。
  2. เด็กหญิงคนหนึ่งนั่งเงียบๆ อยู่ริมหน้าต่าง — dèk-yǐng khon nʉ̀ng nâng ngîap-ngîap yùu rim nâa-tàang — 一人の少女が窓辺に静かに座っていた。
  3. เธอคิดถึงแม่ที่จากไปไกล และรู้สึกเหงาจับใจ — thəə khít-thʉ̌ng mɛ̂ɛ thîi càak pai klai lɛ́ rúu-sʉ̀k ngǎo càp-cai — 彼女は遠くへ行った母を思い、胸に沁みる寂しさを感じていた。
  4. ทันใดนั้น เสียงเคาะประตูดังขึ้น — than-dai nán, sǐang khɔ́ khrà-tuu dang khʉ̂n — その時、ドアをノックする音が鳴った。
  5. เธอเงยหน้าขึ้น ดวงตาเป็นประกาย — thəə ngəəy nâa khʉ̂n, duang-taa pen prà-kaay — 彼女は顔を上げ、その瞳は輝いた。

読みのポイント:①擬態語 เปาะแปะ・เงียบๆ が情景を作る、②心情語 เหงา(寂しい)と強調表現 จับใจ(胸に沁みる)で感情を描く、③ทันใดนั้น(その時突然)・และ(そして)で場面が展開する、という三層構造です。物語では前課の動詞連続構文(เงยหน้าขึ้น「顔を上げる」)も自然に使われています。

比喩にも慣れましょう。ดวงตาเป็นประกาย(瞳が輝きになる=目が輝く)のように、名詞を使った比喩表現が心情を鮮やかにします。

比喩とたとえの表現

エッセイ・物語では、直喩・隠喩がしばしば用いられます。「〜のように」を表す語を覚えましょう。

タイ語読み意味
เหมือนmʉ̌an〜のようだ(直喩)
ราวกับraaw-kàpまるで〜かのように
ประดุจprà-dùt〜のごとく(文語的)
ดั่งdàng〜のように(詩的)
  • ใจของเธอหนักราวกับก้อนหิน — cai khɔ̌ɔng thəə nàk raaw-kàp kɔ̂ɔn hǐn — 彼女の心はまるで石のように重かった。
  • เขายิ้มเหมือนเด็กน้อย — kháo yím mʉ̌an dèk-nɔ́ɔy — 彼は子供のように笑った。

ราวกับ・ประดุจ は書き言葉的で、物語や詩の情感を高めます。

場面転換と時の流れを読む

物語を読むうえで、時間の流れを示す語も重要です。

  • ในที่สุด — nai thîi-sùt — ついに・とうとう
  • ต่อมา — tɔ̀ɔ-maa — その後
  • ทันใดนั้น — than-dai nán — その時突然
  • นานมาแล้ว — naan maa lɛ́ɛw — 昔々(物語の書き出し)

多くのタイの昔話は กาลครั้งหนึ่งนานมาแล้ว(kaan khráng nʉ̀ng naan maa lɛ́ɛw =昔々あるところに)で始まります。これは日本語の「むかしむかし」に当たる決まり文句です。物語は「時の言葉」で場面が切り替わるので、これらを目印に情景を頭の中で組み立てていくと、長い物語も迷わず読み進められます。

まとめ

  • 物語は会話文と地の文が交互に現れ、地の文では อย่าง・畳語が様子を描く。
  • 擬音語・擬態語(เปาะแปะ・เงียบกริบ)が情景にリズムを与える。
  • 心情は ใจ を含む複合語(ดีใจ・เสียใจ・ประทับใจ)で表すことが多い。
  • 段階読解では「情景(擬態語)→心情(ใจ語)→展開(接続語)」の三層を意識する。

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