上級 / 応用文法

書き言葉とフォーマル表現

タイ語には、会話で使う**話し言葉(ภาษาพูด phaasǎa phûut)と、新聞・書類・アナウンス・式典で使う書き言葉(ภาษาเขียน phaasǎa khǐan)**の明確な差があります。中級までは話し言葉を中心に学んできましたが、ニュースや契約書、公式メールを読み書きするには、フォーマルな語彙と接続語を知る必要があります。

日本語で言えば「食べる」と「召し上がる」「拝見する」のような差、あるいは「だから」と「したがって」の差に近いものです。同じ内容でも、語を入れ替えるだけで文章がぐっと引き締まります。

話し言葉と書き言葉の語彙対応

まず、日常語をフォーマル語に置き換える対応を覚えましょう。書き言葉では、パーリ語・サンスクリット由来の格式ある語が好まれます。

話し言葉書き言葉/丁寧読み意味
กินรับประทานráp-pra-thaan食べる
นอนพักผ่อนphák-phɔ̀ɔn休む・寝る
ให้มอบให้mɔ̂ɔp hâi与える・授与する
ดูชมchom見る・鑑賞する
บอกแจ้งcɛ̂ɛng知らせる・通知する
ผู้หญิงสตรีsàt-rii女性
เยอะจำนวนมากcam-nuan mâak多くの

例えば案内放送では กินข้าว ではなく รับประทานอาหาร、「知らせる」は บอก ではなく แจ้ง を使います。

フォーマルな接続語

書き言葉を書き言葉たらしめるのは、文と文をつなぐ接続語です。会話の และ(そして)や เพราะ(だから)に対応する、格式ある語があります。

話し言葉書き言葉読み意味
แล้วก็ซึ่งsʉ̂ng〜であり(関係節・非制限)
เพราะเนื่องจากnʉ̂ang-càak〜のため(原因)
เลย/ก็เลยดังนั้นdang-nánしたがって(結果)
ด้วยโดยdooy〜によって(手段・様態)
ถ้าหากhàakもし〜ならば

ซึ่ง と ที่ の違い

上級で最も間違えやすいのが、関係代名詞 ที่ซึ่ง の使い分けです。どちらも「〜という/〜するところの」と後ろから名詞を説明しますが、性格が異なります。

読み性格使う場面
ที่thîi制限的・話し言葉でも可「どの〜か」を限定する
ซึ่งsʉ̂ng非制限的・書き言葉補足説明を付け足す
  • คนที่มาเมื่อวาน — khon thîi maa mʉ̂a-waan — 昨日来た人(どの人か限定)
  • โครงการนี้ ซึ่งเริ่มเมื่อปีที่แล้ว ประสบความสำเร็จ — khroongkaan níi, sʉ̂ng rə̂əm mʉ̂a pii thîi lɛ́ɛw, prasòp khwaam-sǎmrèt — この計画は、昨年始まったものだが、成功した(補足)

ที่ は「限定」(それがないと何を指すか分からない)、ซึ่ง は「補足」(なくても意味は通じる追加情報)で、コンマで挟まれることが多い、と押さえましょう。会話ではほぼ ที่ で済みますが、文章では ซึ่ง が多用されます。

文書・アナウンスの定型表現

公式文書やアナウンスには決まり文句があります。

  • เรียน... — rian — 〜様(手紙・メールの冒頭、宛名の敬称)
  • ด้วยความเคารพ — dûay khwaam-khaoróp — 敬具(結び)
  • โปรดทราบ — pròot sâap — お知らせします(ご承知ください)
  • ขออภัยในความไม่สะดวก — khɔ̌ɔ-aphai nai khwaam-mâi-sadùak — ご不便をおかけしお詫び申し上げます
  • ห้ามมิให้... — hâam mí hâi — 〜を禁ずる(掲示・規則)

駅や空港の放送では、「ขอความกรุณา (khɔ̌ɔ khwaam-karúnaa)=どうかお願いいたします」のような丁寧な依頼形も頻出です。

名詞化 — การ と ความ

書き言葉のもうひとつの特徴が、動詞・形容詞を名詞に変える名詞化です。抽象的で格式ある文体はこれで作られます。

接頭辞読み付く語
การkaan動詞(動作・行為)การพัฒนา 発展/การประชุม 会議
ความkhwaam形容詞・状態動詞ความสุข 幸福/ความสำคัญ 重要性
  • พัฒนา(発展する・動詞)→ การพัฒนา(発展・名詞)
  • สำคัญ(重要な・形容詞)→ ความสำคัญ(重要性・名詞)

前の課で見た受身 ได้รับการอนุมัติ の การ も、この名詞化です。動作には การ、状態・性質には ความ、と覚えると、難しそうな抽象語も分解して読めます。

実際の文で比べる

同じ内容を、話し言葉と書き言葉で書き分けてみましょう。

  • 話し言葉:บริษัทจะให้พนักงานหยุดเพราะโควิด — bɔɔ-rí-sàt cà hâi phá-nák-ngaan yùt phrɔ́ khoo-wít — 会社はコロナだから社員を休ませる。
  • 書き言葉:บริษัทจะให้พนักงานหยุดงาน เนื่องจากสถานการณ์การแพร่ระบาด — …nʉ̂ang-càak sà-thǎan-ná-kaan kaan-phrɛ̂ɛ-rá-bàat — 会社は感染拡大の状況のため、社員を休業とする。

เพราะ→เนื่องจาก、โควิด→สถานการณ์การแพร่ระบาด(感染拡大の状況)のように、語を格上げするだけで公式文書らしくなります。読むときは逆に、難しい書き言葉を頭の中で身近な話し言葉に置き換えると理解が進みます。

まとめ

  • 書き言葉ではパーリ・サンスクリット由来のフォーマル語彙(รับประทาน・แจ้ง・สตรี)を使う。
  • 接続語 ซึ่ง・โดย・ดังนั้น・เนื่องจาก・หาก が文章を格式づける。
  • ที่ は限定(制限的)、ซึ่ง は補足(非制限的・書き言葉)と使い分ける。
  • 文書・放送には เรียน…/โปรดทราบ/ขออภัยในความไม่สะดวก などの定型がある。

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書き言葉とフォーマル表現(上級・応用文法)