中級 / タイ文字を読む

高子音(อักษรสูง)

中子音の次は高子音です。高子音は11字あり、大きな特徴は「声調記号が付かないと、生音節では自動的に上声(第5声調)になる」ことです。名前の「高(สูง)」は、記号なしのときに高めに上がる上声で読むことに由来します。高子音は音の種類がすべて**無声音・有気音(あるいは摩擦音)**にかたよっているのもポイントです。

高子音の11字

文字名前頭子音の音末子音の音
コー・カイ(ไข่=卵)kh-k
コー・クワット(廃字)kh-k
チョー・チン(ฉิ่ง=シンバル)chなし
トー・ターン(ฐาน=台)th-t
トー・トゥン(ถุง=袋)th-t
ポー・プン(ผึ้ง=蜂)phなし
フォー・ファー(ฝา=ふた)fなし
ソー・サーラー(ศาลา=あずまや)s-t
ソー・ルーシー(ฤๅษี=仙人)s-t
ソー・スア(เสือ=虎)s-t
ホー・ヒープ(หีบ=箱)hなし

※ ฃ は廃字で、現在は ข で代用します。

音でまとめると覚えやすい

高子音は音の種類が限られているので、音でグループ化すると暗記が楽です。

高子音
kh(有気音のカ行)ข(ฃ)
ch(有気音のチャ行)
th(有気音のタ行)ฐ ถ
ph(有気音のパ行)
f
sศ ษ ส
h

このうち **s の音を表す高子音が3つ(ศ ษ ส)**あります。日常語で一番よく出るのは です。ศ と ษ はサンスクリット・パーリ語由来の語に多く現れます(ศาสนา sàatsanǎa/宗教、ประเทศ pràthêet/国 など)。同様に th の高子音も ฐ と ถ の2つがあり、日常最頻出は です(ฐ は改まった語・外来語に多い)。「音は同じでも、日常語でよく使う代表字を先に覚える」のが効率的な学び方です。

日本人が混同しやすい字

  • ข(高・kh)と ช(低・ch):形が似ていますが音もクラスも違います。ข は「箱の中に短い棒」、ช は上に突起があります。
  • ถ(高・th)と ก(中・k)と ภ(低・ph):三つとも輪が2つあるような形で混同しやすい代表格です。ก は左上の輪が小さく、ถ は右上に山、ภ は左に縦棒と、パーツの位置で覚えます。
  • ผ(ph)と ฝ(f)と พ(低・ph)と ฟ(低・f):ผ/ฝ は高子音、พ/ฟ は低子音。上に突き出す棒がまっすぐか、頭が出るかで見分けます。ฝ と ฟ は「歯(点)」の有無が違います。
  • ศ ษ ส:三つとも s。ส が最頻出と覚えておけば十分です。

ห の重要な役割

(ホー・ヒープ)は「h」の音を表しますが、それ以上に重要な使い方があります。単独低子音(次のトピック)の前に発音しない ห を先導させて、その音を高子音のふるまいに変えるという用法です。例えば หมา(mǎa/犬)は、低子音 ม の前に無音の ห を置くことで上声で読ませています。この「先導の ห」は特殊な綴りのトピックで詳しく扱います。

高子音の例語

単語読み意味
ไข่khài(低声)
ขาkhǎa(上声)
เสือsǔea(上声)
ผมphǒm(上声)私(男性)・髪
ถุงthǔng(上声)
หกhòk(低声)6・こぼす
ผ้าphâa(下声)

記号のない ขา・เสือ・ผม・ถุง がすべて上声になっている点に注目してください。これが高子音の最大の特徴です。逆に言えば、記号のない生音節の単語が上声で読まれていたら、その頭子音は高子音(または先導の ห が付いた語)だと推測できます。読解のときの手がかりになります。

名前(ゴー・カイ式)で覚える利点

タイの子音字はそれぞれ「文字+代表語」の名前を持ちます(ข=コー・カイ、ผ=ポー・プンなど)。この名前を覚えると、同じ音の複数の字を区別できます。例えば会話で「どの s ですか」と聞かれたとき、「ソー・スア(ส)です」と名前で答えれば一意に伝わります。タイ人同士も綴りを確認するときこの名前を使います。中級のうちに、少なくともよく使う字の名前は言えるようにしておくと、辞書引きや綴りの確認がぐっと楽になります。

高子音の声調(生音節)

状態声調
記号なし上声
◌่(マイ・エーク)低声
◌้(マイ・トー)下声
死音節低声

高子音には ◌๊・◌๋ は基本的に付きません(高声・上声はクラスの性質で出せるため)。

まとめ

  • 高子音は11字:ข ฃ ฉ ฐ ถ ผ ฝ ศ ษ ส ห。
  • 記号がないと生音節では自動的に上声になる。
  • 音は kh/ch/th/ph/f/s/h に限られる。s は3字(ศ ษ ส、最頻出は ส)。
  • ก/ถ/ภ、ผ/ฝ など似た字は要注意。
  • ห は「先導の ห」として低子音を高子音化する重要な役割を持つ。

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