中級 / タイ文字を読む
低子音(อักษรต่ำ)
低子音は24字と最も数が多いグループです。数は多いのですが、覚え方にコツがあります。それは「高子音とペアになる低子音(対の字)」と「ペアのない単独の低子音」に分けて理解することです。この見方ができると、声調ルールを丸暗記せずに読めるようになります。低子音の最大の特徴は「記号なしの生音節で平声になる」ことです。
低子音は「対」と「単独」に分かれる
| 種類 | 字数 | 特徴 |
|---|---|---|
| 対の低子音(อักษรคู่) | 14字 | 同じ音の高子音が存在する |
| 単独の低子音(อักษรเดี่ยว) | 10字 | 同じ音の高子音が存在しない |
「対」になっているかどうかは、後で声調を出すときに効いてきます。高子音の相棒がいる音(kh, ch, th, ph, f, s, h)は、高子音と低子音を使い分けることで全声調を表せますが、相棒のいない単独低子音(m, n, ng, y, r, l, w など)は自前では高声調を作れず、先導の ห や อ の助けを借ります。
高子音と対応する低子音(対の低子音)
| 音 | 高子音 | 対応する低子音 |
|---|---|---|
| kh | ข(ฃ) | ค ฅ ฆ |
| ch | ฉ | ช ฌ |
| th | ฐ ถ | ฑ ฒ ท ธ |
| ph | ผ | พ ภ |
| f | ฝ | ฟ |
| s | ศ ษ ส | ซ |
| h | ห | ฮ |
例えば「kh」の音は、高子音 ข と低子音 ค の両方で書けます。どちらを使うかは単語ごとに決まっていますが、クラスが違うので同じ綴りでも声調が変わるという点が重要です。ค(低)ฅ(低・廃字に近い)ฆ(低)はすべて kh です。
単独の低子音(10字)
次の10字は高子音の相棒を持ちません。多くが鼻音・流音・半母音(響きのある音)です。
| 文字 | 名前 | 音 |
|---|---|---|
| ง | ンゴー・ングー(งู=蛇) | ng(末子音 -ng も) |
| ญ | ヨー・イン(หญิง=女性) | y(末子音 -n) |
| ณ | ノー・ネーン(เณร=見習い僧) | n |
| น | ノー・ヌー(หนู=ねずみ) | n(-n) |
| ม | モー・マー(ม้า=馬) | m(-m) |
| ย | ヨー・ヤック(ยักษ์=鬼) | y(-i) |
| ร | ロー・ルア(เรือ=船) | r(-n) |
| ล | ロー・リン(ลิง=猿) | l(-n) |
| ว | ウォー・ウェーン(แหวน=指輪) | w(-o/u) |
| ฬ | ロー・チュラー(จุฬา=凧) | l(-n) |
これらは記号なしでは平声にしかならず、上声・低声などを出したいときは先導の ห(例:หนู nǔu)や อ を使います。
日本人が注意すべき点
- ง(ng)は語頭にも来る:日本語にない語頭の「ング」の音です。งู(nguu/蛇)。
- ร(r)と ล(l):字形は似ていませんが、話し言葉では r が l に近く発音されることがあります。文字ではきちんと区別します。
- ณ と น:どちらも n。ณ は改まった語・固有語に多く、日常は น が中心です。
- ฑ ฒ ท ธ はすべて th:4字もありますが、日常最頻出は ท です。
低子音の声調(生音節)
| 状態 | 声調 |
|---|---|
| 記号なし | 平声 |
| ◌่(マイ・エーク) | 下声 |
| ◌้(マイ・トー) | 高声 |
低子音では ◌่ が下声、◌้ が高声になる点が中子音・高子音と大きく違います(後の声調規則トピックで整理します)。
低子音の例語
| 単語 | 読み | 意味 |
|---|---|---|
| งู | nguu(平声) | 蛇 |
| ม้า | máa(高声) | 馬 |
| ช้าง | cháang(高声) | 象 |
| ทาง | thaang(平声) | 道 |
| นก | nók(高声) | 鳥 |
| รัก | rák(高声) | 愛する |
| ลม | lom(平声) | 風 |
| ยา | yaa(平声) | 薬 |
| วัน | wan(平声) | 日 |
| นาน | naan(平声) | 長い(時間) |
なぜ「対」と「単独」の区別が効くのか
タイ語で5つの声調をすべて表すには、実は高子音と低子音のペアが必要です。例えば kh の音では、高子音 ข と低子音 ค を使い分けることで、上声・下声・低声・高声・平声を書き分けられます。ところが m・n・ng・r・l・y・w のような単独低子音には高子音の相棒がいないため、そのままでは平声・高声・下声しか作れません。上声や低声がほしいときに登場するのが、高子音の代役をつとめる先導の ห(例:หมา mǎa/犬、หนึ่ง nùeng/1)です。つまり「対か単独か」は、その字が自前で全声調を作れるかどうかを決める、実用上とても重要な区別なのです。この仕組みは特殊な綴りのトピックでさらに詳しく扱います。
まとめ
- 低子音は24字と最多。記号なしの生音節では平声。
- 「対の低子音(14字)」と「単独の低子音(10字)」に分けて覚える。
- 対の低子音は高子音と同じ音(kh, ch, th, ph, f, s, h)。
- 単独低子音(ง ญ ณ น ม ย ร ล ว ฬ)は高声調を作るのに ห や อ の助けが要る。
- ◌่ で下声、◌้ で高声になるのが低子音の特徴。